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Sony FE PZ 28-135mm F4 G OSS 試用レポート

<主な仕様>

マウントタイプ:ソニーEマウント

対応センサーサイズ:35mmフルサイズ

焦点距離:28-135mm

焦点距離イメージ*:42-202.5mm

レンズ構成:12群18枚

開放絞り:F4

最小絞り:F22

絞り羽根:9枚 円形絞り

最短撮影距離:0.4m(ワイド側)0.95m(テレ側)@AF/MF / または、0.95m @MF

最大撮影倍率:0.15倍

フィルター径:95mm

手ブレ補正:レンズ内手ブレ補正方式

最大径 x 長さ:Φ105mm x 162.5mm

重さ:1215g(三脚座別)

*APS-Cサイズカメラに装着時の35mm版換算値

ソニーから12月に発売されたEマウント系コンパクトシネズームレンズ。35mmフルサイズ対応としては世界初の電動ズーム機能付き。焦点距離28㎜から135㎜までの広い範囲をカバーする4K対応の高画質レンズ。αレンズとしては初となるフォーカス、ズーム、絞りの3つのリングを搭載して完全なマニュアル操作も可能。今回、発売前のデモ機をFS7と試す機会を得たのでその使用感をレポートする。

長さ約16.3cm、重さ約1.2kgとシネズームとしてはかなりコンパクトで、重さ約2kgのFS7に装着するにはちょうど良いサイズ。焦点距離28–135㎜はワイド側が少し狭い感はあるが、普段の撮影で必要そうな範囲はこれ一本でほぼカバーできてしまう。ズーム比4.8倍というのはコンパクトシネズームでは大きい方だが、10~20倍のズームレンズを使うのが普通のドキュメンタリー撮影などの現場ではもっと望遠側が欲しくなるところだろう。4Kで撮っておいてHDサイズに拡大して使うという方法もあるのでそこは工夫次第だろうか。

開放絞り値はズーム全域でF4通しで、他社のシネズームなどに比べるとひと絞り分ほど暗く物足りなさを感じるかもしれないが、最近のソニーのカメラの高感度・低ノイズ化を考えれば光量的にはそれほど問題はないだろう。絞り開放付近での描写も若干ソフトになる程度(f/5.6まで絞れば画面中央部の描写はかなりシャープになる)なので、浅い深度でのボケ味ある画作りも十分楽しめる。非球面レンズとマルチコーティングの採用で色収差や歪みはほとんど気にならない上、強い逆光があってもフレアやゴーストの発生はかなり抑えられていると言える。今回はセンサーサイズがスーパー35mmのFS7に装着しての検証だったので、機会があればα7Sなどのフルサイズカメラの場合も検証してみたい。

フォーカスリングは前後にスライドさせることで瞬時にAFからMFの切り替えが可能。MFにするとエンドストップが効くようになり(回転角は約120°)粘りがほどよくあって操作しやすい。ブリージング(フォーカス中の画角変動)は望遠側でわずかに感じる程度でほとんど気にならない。ズーム時の軸ズレもほとんど出ない。“引きボケ”は若干生じるので、ズームアップしてピント合わせをするのではなく、カメラのピント拡大機能を使ってフォーカス確認をすることをお奨めする。AF機能を試したが、デモ機だったせいか今回の検証では上手く作動しなかった。AF時でも手動でのフォーカス操作も可能とのこと。

電動ズームは8段階の速度調整が可能。SSM(超音波モーター)を搭載し、ズーム動作音はとても静かで動きも非常に滑らか。また、手動ズーム操作でのリングを回す方向を反転させられて自分の使い慣れた回転方向を選ぶことが可能。一つ気になったのが、ズームリングを回す際、レンズの動作反応がワンテンポ遅れる点。これは、ズームリングの反転機能が要因(リングを回すと一旦その信号がカメラ側に伝わりズームインかアウトかを判断してレンズ側に動作指示を出すのに要する時間)で起こるらしいのだが、どんなに素早くズームリングを回しても反応が一瞬遅れてしまうので、直感的なズーム操作が必要な人は不満に感じるのではないだろうか。その代わり、普通のズームレンズではカクカクしてしまい難しい手動でのゆっくりズームの操作が、このレンズだと結構スムーズにできるという利点はある。

絞りリングの操作だが、シネレンズに必需である無段階式調節と1/3ステップ毎のクリック式調節とを切替えて使うことができる。途中で絞り値がズレたりしないように絞りリングを固定するロック機能も付いている。もちろん絞りオートでも使用でき、その場合は絞りリングを“A”の位置にセットする。

また、光学式の手ブレ補正機能はかなり優秀に働き、スタンダードのステディモードのみでアクティブモードには対応しなかったが、望遠めの手持ち撮影でも細かいブレをかなり軽減してくれるなど、このズームレンズには実に様々な便利機能が搭載されている。

最初、ドキュメンタリーなどのワンマンオペレーション撮影向きのENGズームのようなレンズをイメージしていたが、実際使ってみると、やはり映画やドラマの撮影に用いるシネレンズの性質がかなり強いと感じた。ただ、FS7用キットレンズとしてあまり高い値段にできなかったのか、シネズームとしては超破格値のハイコストパフォーマンスなレンズであり、そこは他のシネレンズと大きく違う点だと言える。

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