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マットボックスと角形フィルター入門

●映画の現場では、よくマットボックスを見かけるのですが、そもそも何のために使うのでしょうか?

太陽や照明の光がレンズやフィルター表面に当たって起こるフレアやハレーションを防ぐためや、NDやPLなどのフィルターをレンズ前に装着するために使うのが主な目的です。他にも、役者のモチベーションを上げたりクライアントの信用や安心感を得るためにも役に立ちます。

●フィルターのスロットは2つ必要? 1つでも充分?

NDが内臓されていないデジタル一眼カメラ(DSLR)だと、NDフィルターの2枚重ねが必要な場合があったり、NDと一緒にソフトフォーカス系など他のフィルターを使いたい場合もあるでしょう。そんな時はフィルタースロットが2つあると便利です。さらに、スロットの1つが回転式ならPLやハーフNDフィルターの位置調整がやり易いでしょう。もちろん、可変NDのような丸型フィルターをレンズに直付けして、マットボックスに装着するフィルターは一枚だけという方法もありですが、この場合、ゴースト(反射)が出やすいので注意が必要です。

●角型フィルター(をマットボックスで使用する)のメリットはどこにありますか?

丸型フィルターの場合だと、レンズ交換のたび、いちいちフィルターをつけ替える必要があるし、それぞれのレンズ径サイズにあったフィルターやアダプターリングを複数用意する必要がありますが、マットボックスを使えば、つけ替えの手間が省けるし、用意するフィルターも1サイズに統一できます。

●NDフィルター以外に使う(角型)フィルターはどんなものがありますか?

PL(偏光)フィルター、ハーフNDフィルター、プロミストやディフュージョンなどのソフトフォーカス系フィルター、ブルーやサンセットなどのカラーフィルター、あと、最近流行りのアナモフィックレンズっぽいフレア効果が出せるストリークフィルターなどもあります。

●フィルターの性能ってどういうところに出てくるのでしょうか?

重ね使用しても画質低下の少ない高い透過率や、キズの付きにくい耐久性、フレアやゴーストが出ないコーティングなどが大事な要素です。ガラス製の方が良いと言われますが、プラスチック製でも十分役に立ちます。NDの場合、ガラス製フィルターでも0.9(ND8)以上の濃さになってくると色味が赤や緑色に転んだりするので、色ズレの出ないタイプ(TRUE ND)を使ったりしますが、当然値段は高くなります。

●角型フィルターには、サイズがいろいろあるみたいですが、どうしてですか? 

 DSLRで一般的なサイズというのはありますか?

3x3、4x4, 4x5.65、6.6x6.6サイズなど、角型フィルターにも色々あって、基本的に使用するレンズの前玉径に合わせて選びますが、4x4や4x5.65などが一般的なサイズです。シネレンズの中にはフィルター径が150㎜以上の大きなタイプが結構あるので、その場合は6.6x6.6のサイズを使います。フィルターサイズが大きくなれば、高価になり取扱いも大変になりますが、DSLRの場合、フィルター径72㎜までのスチル用レンズなら、3x3の小さいサイズでも十分カバーできます。

●マットボックスの選び方を教えてください。

 かなり高いものから、安いものまでありますが、どのあたりが違うんでしょうか?

ひと昔前だと、マットボックスやフォローフォーカスなどの機材はどれも高額で、必要な時は機材屋でレンタルするのが当たり前でしたが、最近はネット上で安い物なら数千円から見つけることができます。ただ、1万円辺りまでの安いマットボックスは、フィルタースロットが1つだったり、フラッグの接続部分の作りがいい加減でしっかり固定できなかったり、プラスチック製のパーツがすぐ劣化して壊れたりと、精度や耐久性に問題のある代物が多いので、すぐ壊れて当たり前の消耗品と思って使うべきでしょう。長く愛用したければ、最低5万円クラスの物を選んだ方が、後悔が少ないかもしれません。

●下に2本出ているロッドとは?

マットボックスには、レンズ前に直接取り付ける比較的軽量なクリップオンタイプと、ベースプレートに付けたサポートロッドに固定するロッドタイプの2種類あります。サポートロッドには直径15㎜と19㎜の2種類があり、比較的小さいDSLRカメラには15㎜サイズの方を使うのが一般的です。フォローフォーカスを使う場合もこのロッドに取り付けます。ちなみに、ロッドタイプのマットボックスには直付け式とスイングアウェイ式の2種類あり、後者の方はレンズ交換の際にマットボックス自体をロッドから取り外さなくても済むので楽ですが、その代わり、サイズが少し大きくて重くなります。

●フラッグはどういう役割を持つんでしょうか?

ハレーションやレンズフレアを防ぐため、太陽や照明の光がレンズやフィルター面に当たらないように遮光する、いわゆる「ハレ切り」という作業が必要な場合があるのですが、マットボックスのフラッグがあると、フレームのギリギリでのハレ切りができるので楽です。トップフラッグだけでなく、サイドフラッグもあると重宝で、羽のサイズ調整もできると更に便利です。ロッドタイプの場合、レンズとマットボックスの隙間からの光がフィルターに反射するので、ラバードーナツ(ゴム製のリング)などを使って遮光します。

●フォローフォーカスは必要ですか? 選び方のポイントは?

●一眼用レンズでもフォローフォーカスは使えますか?

フォローフォーカスがなくても、マニュアルでのフォーカス操作でやれないことはないと思います。フォローフォーカスにもピンキリがあり、安かろう悪かろうで、1万円以下の物は、あまり性能に期待せず、マットボックスのように、役者やクライアントへのアピール効果として考えた方がいいかもしれません。

回転ノブの回り具合(遊びやガタつきが少ない、程よい粘りがある)や、取付け位置の調整のしやすさ、材質などが値段の差になってきます。

フォローフォーカスを使う場合、ロッドタイプのマットボックスと同様、ベースプレートやサポートロッドが要りますし、スチル用レンズにはギアリングを付ける必要があります。中にはギアリングなしでも使えるタイプもあるようです。いずれにせよ、導入前の事前チェックをお勧めします。

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