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「LivingAnywhere Commons会津磐梯」で感じた新しいライフスタイルの可能性

令和元年、新緑萌える6月、福島県の磐梯町を初めて訪れました。「LivingAnywhere」を紹介するPR動画の撮影、そしてこの体験レポートの執筆のため、福島の名峰、磐梯山のふもとにある LivingAnywhere Commons会津磐梯を訪れ、1泊2日のワーケーション*合宿に参加しました。今回の旅では、未見の地、会津磐梯のことを知るとともに、”Living Anywhere”という新しい働き方、生き方を知るとても良い体験となりました。

(*ワーケーションというのはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、休暇中に旅先などで仕事もするという新しい働き方のこと)



LivingAnywhere Commonsとは

“Living Anywhere”とは直訳すれば「どこでも好きな場所で暮らす」という意味でしょうか。場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することを目的としたコミュニティ、それが「LivingAnywhere Commons」です。


これまでの働き方・生き方というのは、転勤や転職などの場合を除けば、都会であれ地方であれどこか一ヶ所に拠点を定めて「定職・定住」という考えが一般的でした。それは、正社員も非正規社員もフリーランスも基本同じでしょう。でも、最近はインターネット環境が充実し、離れた場所からでも情報交換が容易になってきたこともあって、都会と地方との二拠点、中には、海外にまで活動の場を広げような多拠点生活者も少しずつ増えてきたように思います。














元々は使われなくなった企業の保養施設で、それを再利用している


Wi-fi環境が整ったコワーキングスペースがあれば、二拠点・多拠点生活もより身近になってくるでしょう。すでに東京などの都心では当たり前のようにできていますが、地方でワーキングスペースの数自体はまだまだ多くはありません。LivingAnywhere Commons(LAC)は、Wi-fi環境を完備したワーキングスペースにキッチンやシャワー、寝室などの宿泊機能も備えた複合施設です。LACのメンバーになれば、自分の好きな場所の施設を、好きな時に好きなだけ滞在して利用することが可能で、文字通り”Living Anywhere”という生き方、働き方を実践することができるわけです。2019年7月現在、LACの拠点は会津磐梯と伊豆下田の二ヶ所にあり、今後、日本全国に展開していく予定だということです。



LAC会津磐梯でのイベント体験

LivingAnywhereでは、地元地域の人々とLivingAnywhereの考えに賛同した人たちをつなげるイベントや、メンバー自身が企画するイベントなども定期的に開催する予定だそうで、今回の合宿では、LACの紹介、施設見学、ふるさと納税に関するアイディアソン(グループディスカション)、手作りピザを作ったり地元の食材やお酒を楽しみながらの懇親会、フリーランスのためのセミナー、そして地元食材を使っての昼食作りや施設内のリフォームなどのDIO(= Do It Ourselves)作業など様々なイベントが用意されていました。












広々したワーキングスペースが利用可能


また、自由時間や懇親会では参加者各自が名刺交換、情報交換などして、地元の美味いお酒を飲みながら夜遅くまで楽しく語り合い、1日半という短い時間ではありましたが、実に有意義な時間を過ごすことができました。
















懇親会でずらりと並んだ地元の銘酒


様々なバックラウンドを持つ人たちが集う場所

今回のイベントの一つで、ふるさと納税についてのアイデアを話し合うアイディアソン(グループディスカッション)というものを行いました。地元磐梯町の自治体の人と一緒に、これまでの返礼品に頼るようなものではない新しいふるさと納税の形とは何かをみんなで考え、某大手カメラ会社や酒造会社、りんご農家など地元の産業と連携し、ふるさと納税をすることにより会津磐梯とのつながりを持ち、実際に磐梯町を何度も訪れてもらうような奇抜なアイデアがいろいろと出されました。


様々なバックグラウンドを持った人達が集まることで、各人が持つ経験や知識から多様性ある奇抜なアイデアが生まれます。実際、今回の合宿参加メンバーには、地元福島からのフリーライターや映像クリエイター、東京からの広告業界の人なども含まれていましたが、それぞれの持つ人脈を活かすこともできれば、単なる提案ではなく現実性あるアイデアとなり、そこから新たに地元地域のビジネスチャンスにもつながる可能性も十分感じられました。そうなれば、地方自治体側も積極的にLivingAnywhere Commonsを利用していくことでしょう。













地元の自治体の人たちとふるさと納税に関するアイディアソンも行われた


地元地域への貢献

現在、日本の少子高齢化にともなう人口減少の影響は深刻で、年々増え続ける空き家や、農家や工場での働き手・後継者不足など、地方は多くの問題を抱えています。そのため、現在、政府や地方自治体は、地域のために貢献してくれる人たちをどうやったら増やすことができるかを重要な課題として取り組んでいます。















予定されていたDIOイベント


今回、DIOのイベントとして、施設内の廊下の床素材の張り替えやドアのペイント作業もしましたが、今後はLACの施設内で行う作業にとどまらず、地元の人たちにも貢献できるように、放置された空き家を修理して使えるようにしたり、人手が足りず困っている地元農家の作業を手伝ったりすることもできるでしょう。













参加者みんな素人ながら自主的に動き、

限られた時間ながらかなり作業をこなすことができた


都会から人が集まってくることによって、地域に貢献できる可能性がいろいろと広がります。例えば、車の共有もその一つです。山の中の施設までたどり着くには車が必要ですが、滞在している間、各参加者の車はほとんど使われず駐車場に停められたままでした。この状況を活用してカーシェアのようなシステムを作れれば、車を持たない人でももっと気軽にこの場所を訪れ利用することが可能になるでしょう。その考えをもっと発展させて、移動手段がなくて困っている地域の高齢者などのために車を使ってもらう(運転してあげる)ことで、地域に貢献することができるかもしれません。















ほとんど使われず駐車場に停まったままの参加者たちの車

カーシェアのようなシステムを作って地域貢献する可能性も


新しい働き方・生き方

都会での仕事はキープしながら地方でも暮らす「週末移住」や「二拠点生活」に憧れる人は多いでしょう。しかしながら、興味ある土地には知り合いもいないし、仕事や生きがいある目的が見つかるかどうか分からず、キッカケをつかめず二の足を踏んでいる人も大勢いるのではないでしょうか。その一方では、深刻な人手不足問題などで、都会からの助けを必要としている地方の実情があります。きっと近い将来、LivingAnywhere Commonsは、都会と地方とを結び付け、お互いの橋渡しをする重要な役割りを担っていることでしょう。















施設の前にある広いグラウンドも様々なイベントに使用可

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