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Sony α7RⅡ 4K動画レポート

Chapter 7:4K動画に挑戦するときがやってきた!

ビデオ、スチルカメラともに、ここ数年の技術の進歩は実にめまぐるしく、半年か数ヶ月に一度はカメラ業界を賑わす新しい技術機能を備えたカメラが登場する。α7シリーズなどはその最たる例で、今回こうしてα7RⅡのために検証レポートを書いている最中にもα7SⅡが発表されるという有様だった。

 正直なところ、それまでα7シリーズは使ったことがなく、7、7R、7Ⅱ、7Sの違いも、7Sの高感度性能が良いという程度しか分からなかったが、今回、7RⅡを実際に試す機会を得て感心したのは、ピクチャープロファイル機能が充実している点。パラメーター設定を駆使し、撮影時に自分好みのルック作りが試せるという便利な機能で、長年、ビデオカメラ分野でソニーが培ってきた撮影技術の賜物だ。ソニー製業務用ビデオカメラなら普通に搭載されている機能だが、それが、デジタル一眼のα7RⅡにも搭載され、S-Log2ガンマまで入っている(7SⅡにはS-Log3も入っているようだが)。この他に、ピクチャーエフェクトやクリエイティブスタイルと静止画用のエフェクト機能も使えて様々なルックパターンを試すことができ、実に遊び心をくすぐられるカメラだ。

4K動画撮影

◯そもそも4Kとは?

水平解像度(横)1920 x 垂直解像度(縦)1080 = 約207万画素のフルHDに対し、4Kはその4倍にあたる約829万画素(横3840 x 縦2160 )の解像度を持つ。細かいディテールまで記録できるので、立体的でよりリアルな映像表現が可能になる。また、色域も広がるため、再現できる色数も増えて、より鮮やかで奥深い映像となる。

4Kには、フルHDのちょうど4倍でテレビ放送などで用いられるUHDと、水平解像度が4096pixと若干横に長いDCI 4K(アメリカの映画会社加盟団体が決めたデジタルシネマ上映のための規格)がある。

UHD(QFHD):3840x2160 / DCI 4K:4096x2160

◯4Kで撮影するメリット

2014年から4Kでの試験放送が始まるなど、最近、4Kテレビや4Kカメラなど、日常でも「4K」というフレーズを聞く機会が少しずつ増えてきているように思う。しかし現状では、4K画質で撮影したものをそのまま編集して完成・納品まで4K状態で仕上げるというのは少ないようだ。尺の短い作品ならまだ可能かもしれないが、ドラマやドキュメンタリー作品などになると、撮影した素材のデータ量も半端なく大きなものになってしまうので、ポストプロダクション体制の現状ではまだまだ難しいのだろう。

ただ、近い将来、4Kや8Kが通常規格になることを予想して、撮影は4Kで行うというところも増えてきているのも事実だ。また4K対応カメラともなると大判センサーを搭載したものも多く、浅い被写界深度によるボケ味を使っての映像表現ができるのも利点の一つと言えるだろう。映画の現場においても、本編ドラマ部分はHD撮影だが、シーンの間に入る実景映像などは4Kや6Kの高解像度で撮影し、将来的にも使用ができるようにアーカイブ化しておく場合も多い。

◯世界初フルサイズ領域での4K動画記録

1年前に発売されたα7Sでは、世界初となる35mmフルサイズセンサーで、画素加算なし全画素情報読み出しでの、フルHD及び4Kの動画出力を実現した。ただし、カメラ本体内での収録はフルHDサイズまでで、4K動画の記録には外部レコーダーが必要だった。それが、α7RⅡでは4Kでのカメラ本体内記録も可能となり、4K/フルHD映像をカメラ側で記録すると同時に、HDMI出力からの8ビット 4:2:2の非圧縮映像を外部モニターに出力したり、外部レコーダーに収録することができるようになった。デジタル一眼タイプのカメラで4K動画の本体内記録に対応しているのは、パナソニックやニコンなどまだ数機種のみで、しかも、35mmフルサイズ領域を使った4K動画記録に対応したのはα7RⅡが世界初となる。

⚫︎α7SⅡ

この秋に発売になるα7SⅡは、35mmフルサイズ領域での画素加算のない全画素読み出しによる4K動画記録に対応。S-Log2ガンマに加え、新たにダイナミックレンジ14ストップのS-Log3も搭載。また120pのハイフレーム撮影では画素加算のない全画素読み出しによるフルHD解像度(ビットレート最大100Mbps)

での記録が可能になった。

Super 35mmモードでの全画素読み出しによる4K動画記録

α7RⅡのSuper 35mm(APS-Cサイズ相当16:9)のクロップモードでは、ラインスキップやピニングなどの画素加算のない全画素読み出しを行っている。4K解像度(約800万画素)の約1.8倍にあたる約5000万画素からのスーパーサンプリングをした4K映像は、モアレやジャギーが少なく、シャープで解像度も非常に高い。結論から言うと、本機で撮影した場合、同じ4Kサイズでも35mmフルサイズとSuper 35mmモードとでは後者で撮影した映像の方が綺麗だということ。その違いは、十分光量のある明るい状況で撮影した場合では分かりにくいかもしれないが、夜景など高感度で撮影した時のノイズの出かたなどを見るとよく分かる。(高感度テストの部分を参考のこと)

◯4Kで撮影してHDで仕上げるダウンコンバートもおすすめ

4K撮影してHD仕上げをする利点として、4KからHD画質にダウンコンバートすれば、HDで撮影した場合よりも綺麗な映像が得られる。縦横の比が2倍なので、編集環境にもよるが単純に考えて2倍まで拡大してもHD画質はキープできる。例えば、インタビュー撮影の場合、1台のカメラで引きと寄りの2サイズが得られて効率的。また、編集段階でズーム効果を加えたり、手ブレがあった場合などはスタビライザー処理をしても画質の劣化を心配する必要がない。

(一部抜粋)

◯サンプル動画

ソニーα7RⅡスーパーブック

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