『ワカコ酒 Season 2』撮影レポート
使用カメラ：Panasonic Lumix GH4
撮影フォーマット：AVCHD FHD（1920x1080）24M / 30p
◯GH4を選んだ理由
「ワカコ酒」は、主人公のワカコが毎回居酒屋やバル、小料理屋などを訪れ、ひとり酒を楽しむというグルメドラマ。撮影場所は実際にあるお店ばかりなので、当然、狭い店内での撮影で、カウンターの上や厨房の中にカメラを置くようなシチュエーションも多いため、小型のデジタル一眼カメラの方が扱いやすい。お店で作ってもらう料理を実際に食べるので、何度も撮り直しが効かないこともあり、撮影は2カメ体制。でも、撮影部スタッフは2人のみで、フォーカス助手などはいないワンマンオペレーション体制。35mmフルやスーパー35mmサイズのカメラだと被写界深度が浅すぎてフォーカス操作が大変になる心配があった。マイクロフォーサーズサイズあたりが程よい被写界深度ということでGH4を選んだ*。＊Season1（とSeason2の2,3,5話）は、Canon EOS 7Dなどを使用
実際の撮影では、F4.0～5.6が基本F値設定で、印象的に見せたい場面では、F2くらいまで開けられる明るい単焦点レンズを使用した。AF機能も時々使用した。スライダー、グライドカム、ジンバル（DJI RONIN）を使用する状況もあった。
◯データの取り込み/管理/バックアップ方法
収録メディアは安価で買えるSDカードなので、多めに用意してもらえた。
収録済みメディアをプロデューサーか制作部の方でHDDにバックアップコピーをしてもらった。
SDカードの数に余裕があったので、撮影済みメディアをすぐに再利用するということはなかった。
◯改善して欲しい点
ISO感度3200までが許容範囲で、6400になると急激にノイズが暗部に目立ち始める。照明が暗めの店内でズームレンズ（F4.0～5.6）を使用する場合、感度設定をISO3200以上にする必要があった。
感度の設定がISO200/400/800/1600/3200/6400と1絞り単位ごとなので、200/250/320/400/500/…というように1/3絞りずつ設定変更できるようになると嬉しい。露光調整のために絞りを変更するように感度設定を変えられるとありがたい。
撮影フォーマットはAVCHDだったが、AVCHDだとバリアブルフレームレートが60fpsまでしか上げられなかったので、96fpsまで使えるようになると嬉しい。
AF機能は、被写体がカメラに向かってまっすぐ歩くようなシーンは上手くいったが、多くの場合、合焦点が迷うハンチングという状態が少し見られて、100％満足のいく成果はあまり得られなかった。
◯良かった点
食事をするシーンでは数分間の長回し撮影を何テイクも行ったが、カメラ本体が発熱することもなかった。HD撮影だったので、4Kの場合の検証をしてみないと断定はできないが、他のメーカー、例えば、ソニーのα系のミラーレス一眼タイプのカメラよりは長時間の動画撮影においても熱暴走の心配は少ないように感じる。
◯スタッフ構成
撮影部２名（2カメ体制）、照明部２名、録音部１名
◯主な撮影機材
●カメラ：Panasonic AG-GH4U（BカメはGH4（インターフェイスユニットなし））
●レンズ：LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0、G X VARIO 12-35mm F2.8、45-175mm F4-5.6、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8、Rokinon 24mm/35mm/85mmなど
●三脚：ザハトラー Video15 他
●モニター：iKan D7w、SmallHD DP6
●Glidetrack HD 1.5m
●Glidecam HD2000
●DJI Ronin
◯作品紹介『ワカコ酒 Season 2』
「ワカコ酒」とは、“酒呑みの舌”を持って生まれた26歳のOL・村崎ワカコが、今宵も居場所を求めてさすらい「女ひとり酒」を堪能するグルメ漫画。2011年より「月刊コミックゼノン」にて連載中、コミックスの累計発行部数は100万部を超える。2015年はTVドラマ「ワカコ酒 Season1」の他に、ショートアニメのTV放送や海外においても韓国版「ワカコ酒」が製作されるなど今、最も注目を集める漫画原作となっている。また、数多ある「食」をテーマにしたマンガや書籍、TVドラマの中でもひときわ主人公のキャラクターに大きな支持が集まっており、＜お酒＞と＜美味い肴＞の相性がぴったりと合わさった至福の瞬間、ワカコが見せる「ぷしゅ～」という感嘆の表情は最大の魅力となっている。食と酒への渇望を誘う、今、最も注目を集めるグルメドラマ。
＜『ワカコ酒 Season2』予告編＞
