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ikan Elements Super Fly Kit

<ビデオサロン2011年11月号に寄稿>

iKan Elements Super Fly Kit

LCDモニターやLEDライトなどで最近ではかなり知られる存在になったikanだが、去年辺りから一眼ムービーや小型ビデオカメラ用のグリップアクセサリーも出し始めた。このElementsシリーズのSuper Fly Kitもその一つで、2枚のプレート“チーズスライス”と2本のハンドグリップ、長さ15㎝のφ15㎜サポートロッド2本の組み合わせで使用する。チーズスライス、グリップにはネジ穴が空いていてミニライト、外部モニターなどを、またロッドにはマットボックス、フォローフォーカスなど、自分の撮影スタイルに合わせ色々なアクセサリーが取付けることができる。また、別売りのDSLRベースプレートを用いれば、三脚にのせて使用も可能になり、またマットボックスの微妙な高さ調整も行える。

ikan フォローフォーカス ELE-FGK

ikanは以前からFriction Follow Focusという、ゴムのリングだけでフォーカスリングを回すユニークな方式のフォローフォーカス(以下、FF)を出していたが、ギアリングを使ってフォーカスリングを回す本格的なタイプも発売した。正直、モニターやライトのメーカーが出したFFなんて…と使う前はそれほど期待していなかったのだが、なかなかどうして良くできたものだった。

作りは軽くてコンパクト。比較的安価なFFだと本体がプラスチック製であることが多いのだが、これは強化アルミを使っていてかなり丈夫に出来ている。φ15㎜規格のロッドならどのメーカーのサポートシステムにも使用が可能。

今回、CanonのLレンズ数本を使って試してみたのだが、回転ノブの回し具合の相性はとても良かった。シネレンズに比べ、スチルレンズのフォーカスリングはMFの場合、少しの力でも楽に回せてしまうため、FF側の回転にある程度の粘りがないとリングを回し過ぎてしまったりして微妙なピン送りが難しくなる。逆に粘りがあり過ぎても、フォーカスを素早く送りたい時に対応が遅れてしまったり、余計な力が入ってレンズがブレたりして、その頃合いが微妙なのだが、このFFの粘り具合は軽過ぎず重過ぎずでとても回し易かった。

ただ、一つ残念というか注意しないとならないことは、ギアの回転方向が何故か他のメーカーのFFと逆になっているという点。使用するレンズはNikonやLeicaのみとか、普段からこのFFしか使わないという人なら特に問題ないかもしれないが、普段、他社のFFを使っている人には頭の切り替えが必要になる(手持ちで自分でピンを送る場合などは特に)。

フォーカスギアのピッチはシネレンズと同じ0.8㎜。レンズギアはベルト式でφ63.5㎜から108㎜までのレンズに使用できる。マーキングディスクはマグネット式で脱着が可能。付属品も豊富で、43㎝のロングウィップ、5.8㎝のクランクノブ、レンズギア(2本)の他、レンズギアを取付けた時のレンズへの傷防止、滑り止めも兼ねたレンズギア・ライナーまで付いてくる。これであと、ロッドへの着脱がスナップオン式だったり、フォーカスギアの位置を前後に変えられたり、そして(これが一番重要かも)ギアの回転方向を逆にできたりすればもっともっと良いのだが。

日本の代理店フォーカルポイントさんによると、今のところ、フォローフォーカス ELE-FGKはSuper Fly Kitとのセット販売のみということらしい。

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