Redrock micro LiveLens MFT Active Lens Mount
<ビデオサロン2012年1月号に寄稿>
マットボックスやフォローフォーカスなど様々なカメラ周辺アクセサリーで定評のあるRedrock micro社が出したレンズマウントアダプター。キャノンのEFマウント系レンズを、パナソニックのAG-AF105やGH1/2、オリンパスのPENシリーズなどのマイクロ4/3カメラに装着し、レンズの絞りを電気的に制御することができる。
EFレンズは完全電子制御されている(絞り環もない)ので、普通のマウント変換アダプターを付けた場合では絞りが開放状態のままで使わなければならない。アダプター内に絞り羽根が付いた絞り開閉機能付きタイプも幾つか市場に出回っているが、絞り羽根が正規の位置よりも後ろに来るという構造上、絞り込むに従い画面が周辺から暗くなっていき、しまいには四隅にケラレが発生してしまうという欠点があった。しかし、このアダプターを使えば、レンズへの電源供給を行い、電気信号によりレンズの絞りをコントロールすることができ、なおかつ、周辺光量落ちやケラレの心配もしなくて済んでしまう。
造りはシンプルで、電子制御端子の付いたアダプターに現在の絞り値を表示する小さな液晶画面と絞りの開閉を操作するボタン2つが付いた突起部分あるのみ。電源は黒いケース(ON/OFFスイッチ付き)に収める9V乾電池で、本体とケーブルで繋がっているのだが、ただぶら下がった状態で、ここはもう少し工夫して欲しいところだ。電池1個で連続20時間使用可能とのこと。
都内のカメラ店へ行き、展示してあったEFマウント系レンズをひと通り試してみたのだが、キャノンのEFレンズ(EF-Sを含む)だけでなく、ツァイスZE、トキナーなどの他メーカーのレンズでも問題なく絞りの動作確認ができた。但し、シグマでは半々の割合で動作確認ができず、タムロンは2本だけしか試せていないが両方とも動いた。全てのレンズを検証できたわけではないので、事前の動作・ケリの有無確認をお奨めする。(※メーカーは、EF85mm/f1.2、EF300mm/f2.8、テレコンバーター、エクステンダー、マクロ用チューブでは作動しないとしている)
他のEF-マイクロ4/3アダプターには、確実に無限遠を出すためオーバーインフめに作られている物もあるのだが、このアダプターはフランジバックもかなり正確に合わせてあるようで、2本のEFズーム(Lレンズ)で試した限りではピントも基線通りに来て、引きボケなども見られなかった。
少しずつ、交換レンズ周辺アクセサリーが充実してきてレンズ選びが面白くなってきた人も多いのではないだろうか。続くてSony NEXカメラのEマウント用アダプターも早く出して欲しいところである。
<写真>
絞り値の変更は1/3から1/4ステップごと(※)になっている。
AFやIS(手振れ防止)は無効になる。