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LUMIX(MFT系)カメラ用レンズ (MFT / フォーサーズマウント)

マイクロフォーサーズ系マウントレンズ

 携帯に便利な小型・軽量というのがウリのマイクロ4/3系カメラだが、それ故、マイクロ4/3系レンズの作りも非常にコンパクトで、フォーカスリングには距離の基線もなければエンドストップもない。MFでフォーカスリングを回すスピードによってピント送りの距離も変わってしまうため、映画の現場でよく行われるピン打ちという作業が、これらのレンズを使う場合にはほぼ意味をなさなくなってしまう。また、実測距離とカメラの液晶画面に表示されるフォーカスの数値が違ったり、カメラとレンズ(特にズームレンズ)間での電気系統による不具合でMFでの操作が正しくレンズに伝わらなかったりした。

 フォーサーズ系レンズは、フォーカスリングに基線はあるものの回転角が小さいので、やはりピント送り操作は楽ではない。ライカのレンズではMF時のピント送り操作で若干の不具合を感じ、オリンパスのレンズはフォーカスの問題はなかったが、ズーミングの途中で露出が変わるという症状があった。(*使用したカメラは主にパナソニックAF105、フォーサーズ系レンズの場合はマウントアダプターDMW-MA1を使用)

 レンズのラインナップもキャノンEF系レンズなどに比べるとまだまだ物足りない。まだできたばかりのサイズなので、カメラ・レンズ間の不具合改善も含めて、今後の対応に期待したい。

LUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離 :7~14㎜ / 35㎜判換算:14~28㎜

F値:4.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.25m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

最大径x長さ :φ70x83.1㎜

重量 :300g

手振れ補正機能:なし

4/3、マイクロ4/3系レンズの内、35㎜判換算で14-28㎜相当(画角114°–75°)という広角をカバーできるズームは、今のところ、これとオリンパスのZUIKO DIGITAL ED7-14㎜ F4のみ。14㎜相当の広角をカバーするズームとしてはかなり歪みは少ない。開放から非常にシャープで周辺光量落ちも一段絞ればほぼ解消される。

 AF105で使用してみたが、MF操作でズーミングをしながらピン送りをしようとすると、フォーカスリングを回しても合焦点が変わらない“空回り”状態が一瞬起こった。

LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離 :14~45㎜ / 35㎜判換算:28~90㎜

F値:3.5~5.6(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.3m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径 :52㎜

最大径x長さ :φ60x60㎜

重量 :195g

手振れ補正機能:あり(MEGA O.I.S.)

35㎜判換算で28~90㎜相当と、このレンズ1本でセットレンズの範囲をほぼ全てをカバー出来てしまう。解像力も高く、絞り開放からF11くらいまでかなりシャープ。残念なのはF値で、もう少しだけ明るければなお良かった(開放値が焦点距離14㎜でF3.5、24㎜付近だと開放絞り値F4.8)。光学式手振れ補正(MEGA O.I.S.)機能はかなり効果的。

LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離 :14~140㎜ / 35㎜判換算:28~280㎜

F値:4.0~5.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離 :0.5m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:62㎜

最大径x長さ :φ70x84㎜

重量:460g

手振れ補正:あり (MEGA O.I.S.)

 ルミックス GH2のセットレンズなどとして出回っている最もポピュラーなマイクロ4/3用ズームの一つ。28㎜から280㎜(35㎜判換算)の画角をこれ1本でカバーしてしまう重宝な標準/望遠ズーム。絞り開放から非常にシャープで、とくに広角側(50㎜辺りまで)は中央から周辺部までかなりシャープ。OIS機能はかなりの効果がある。

 AF105で使用した際、ズーミングをすると露出がパカパカと変化したり、素早いズーミングをすると途中で一瞬ピントが完全にボケたりという現象が起こる。AFでのエリアフォーカス機能はかなり有効。

LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:45~200㎜ / 35㎜判換算:90~400㎜

F値:4.0~5.6(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:1.0m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:52㎜

最大径x長さ:φ70x100㎜

重量:380g

手振れ補正: あり(MEGA O.I.S.)

 絞り開放からF11辺りまで安定したシャープさを保つが、望遠側(100㎜以上)になると全体的にソフトになり始め、顕著に現れる周辺光量落ちはF8くらいまで絞り込まないと解消されない。

 AF105で使用した際、14-140㎜と同様に、ズーミング中に明るさが変化したり、素早いズーミングをすると途中大きくピンボケする現象が起こる。OIS機能は有効。

LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:8㎜ / 35㎜判換算:16㎜

F値:3.5(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.1m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:挟み込み式

最大径x長さ:φ60.7x51.7㎜

重量:165g

手振れ補正:なし

LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:20㎜ / 35㎜判換算:40㎜

F値:1.7(開放)/ 16(最小絞り)

最短撮影距離:0.2m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:46㎜

最大径x長さ:φ63x25.5㎜

重量:100g

手振れ補正:なし

 絞り開放でも中央から周辺部にかけ全体的に安定したシャープさを持つ高性能単焦点レンズ。絞り開放時において周辺光量落ちが見られるがF2.8以上になるとかなり改善される。マニュアルでのフォーカス操作に関しては、リングを回しても合焦点が変わらなかったり、回す速さによってピントの送り幅が変わったりしてしまうので、ピントが合っているかどうかは、液晶画面上のフォーカス値やフォーカスアシスト機能などで確認しないとならない。

LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:45㎜ / 35㎜判換算:90㎜

F値:2.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.15m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:46㎜

最大径x長さ:φ63x62.5㎜

重量:225g

手振れ補正:あり(MEGA O.I.S.)

 現在のところ、マイクロ4/3マウント系では唯一のマクロレンズ(フォーサーズ系だとオリンパスなどが出している)。絞り開放からF11辺りまで、レンズ中央から周辺部まで非常に安定したシャープさを誇る。マクロ撮影時での手振れ補正機能はかなり有効で、AFモードでのフォーカスもかなり正確に合うのだが、MFの場合はフォーカスリングを回しても合焦点が動かない瞬間があり、画面手前から奥へのスムーズなピン送りというのが上手く行かないことがある。

NOKTON 25mm F0.95 (COSINA フォクトレンダー)

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:25㎜ / 35㎜判換算:50㎜

F値:0.95(開放)/ 16(最小絞り)

最短撮影距離:0.17m

絞り羽根:10枚

フィルター径 :52㎜

最大径x長さ:φ58.4x70㎜

重量:410g

手振れ補正:なし

F値が1以下のレンズと聞くと、S.キューブリックが映画「バリー・リンドン」で、あるシーンを蝋燭の光だけで撮影するために使ったレンズ(ツァイス Planar 50㎜ F0.7)を思い浮かべる人もいるかもしれないが、そんなレンズがマイクロ4/3系カメラだと使うことができてしまう(とは言っても、こちらはそれより約1絞り分暗いF0.95だが)。その特長からただ明るいだけの特殊レンズというイメージで捉えてしまうかもしれないが、これはマイクロ4/3版のキャノン EF50㎜ F1.2Lと言ってもいいほどの高性能レンズである。確かに、絞り開放では全体的にソフトな描写で周辺光量落ちも目立つが、F1.4まで絞れば中央部のシャープネスはかなり上がり、F2以上になると周辺部まで全体にシャープになり、周辺光量落ちも見られなくなる。フォーカスは完全マニュアルでの操作になるが、それゆえ、このレンズがマイクロ4/3系の中で最も安定したフォーカス送りができるレンズになっている。

フォーサーズ系マウント

LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm/F2.8-3.5 ASPH./MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離 :14~50㎜ / 35㎜判換算:28~100㎜

F値:2.8~3.5(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.29m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:72㎜

最大径x長さ:φ78.1x97.4㎜

重量:490g

手振れ補正機能:あり(MEGA O.I.S.)

 マイクロ4/3系ズームにはない絞りF2.8(14㎜で)の明るいズームレンズ。広角側は絞り開放からかなりシャープ。マイクロ4/3系レンズよりもレンズ自体が大きく、ズームリングやフォーカスリングにも粘りがあるので操作し易い。

 純正マウントアダプターDMW-MA1を介してAF105で使用してみたところ、パナソニック公式HPでは、このレンズでのOIS(手振れ補正機能)は無効と表記されているが、レンズ側のスイッチをONにすると問題なく使えた。だが、このレンズでもマイクロ4/3ズームと同様、ズーミングの途中で露出が変わる現象が見られたり、MFでのピント合わせでフォーカスリングを回している途中、合焦点が変わらない“空回り”現象が起こった。また、フォーカスを送る際の画角の変化(ブリージング)も少し気になった。

LEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離:14~150㎜ / 35㎜判換算:28~300㎜

F値:3.5~5.6(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.5m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:72㎜

最大径x長さ:φ78.5x90.4㎜

重量:535g

手振れ補正機能:あり(MEGA O.I.S.)

35㎜判換算で28㎜相当から始まる10.7倍の高倍率ズームは、Lumix14-140㎜ F4.0-5.8と同様、絞り開放からかなりシャープ。AF105で使用した際、14-50㎜ F2.8-3.5と同様、レンズのOIS機能は問題なく使えた。このレンズでもズーミングの途中で露出が変化した。MFでのフォーカス操作で14-50㎜ F2.8-3.5のような不具合は見られなかったのだが、度々何かの拍子にズーム、フォーカス、絞りが完全にロックされて動かなくなる不具合が発生し、その都度カメラ本体の電源を入れ直さなくてはならず現場をストップさせてしまった。

LEICA D SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離:25㎜ / 35㎜判換算:50㎜

F値:1.4(開放)/ 16(最小絞り)

最短撮影距離:0.38m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:62㎜

最大径x長さ:φ77.7x75㎜

重量:510g

手振れ補正機能:なし

 4/3、マイクロ4/3系の中で最も明るくて、かつシャープなレンズの1本。絞り込んだ時より開放F値1.4での方がむしろシャープという特異な性質で、このレンズを使うなら敢えて開放~F2で撮影し、このレンズでしか表現できない独特のボケ味や明るさを楽しむべき。

 AF105で使用した際、単焦点レンズなのでズームレンズで起こるような問題は見られないが、若干フォーカスリングが“空回り”する瞬間があり、MFでの微妙なピン送りは結構難しい。

ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0(オリンパス)

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離:7~14㎜ / 35㎜判換算:14~28㎜

F値:4.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.25m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

最大径x長さ:φ86.5x119.5㎜

重量:780g

手振れ補正機能:なし

Lumix G Vario 7-14㎜/F4.0と並び、4/3、マイクロ4/3系で35㎜判換算14㎜相当(画角114°)という超広角をカバーできる数少ないレンズの1本。レンズの中央部は絞り開放からかなりシャープで、F5.6以上に絞れば周辺部までもかなりシャープになる。このレンズのリングは程よく粘りがあって操作しやすい。

 AF105に使用した際、絞りや焦点距離、フォーカスなどレンズ側の情報はカメラの液晶画面に問題なく表示された。このレンズでもズームリングを動かすと露出が1/3絞りほどずつパカパカと変わる現象が起こった。

ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD(オリンパス)

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離 :14~35㎜ / 35㎜判換算:28~70㎜

F値:2.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.35m

絞り羽根:9枚(円形絞り)

フィルター径:77㎜

最大径x長さ:φ86x123㎜

重量:900g

手振れ補正機能:なし

 一眼レフカメラ用交換レンズでは世界初の全域開放絞りF2.0を実現したズームレンズ。これとED 35-100㎜ F2さえあれば、殆どのシーンを通しF値2.0で撮影できてしまう。絞り開放からでも中央部は非常にシャープで、F2.8まで絞れば周辺部においてもとてもシャープになる。

 パナソニックがAF105との対応レンズとして、公式HPで確認済みとしている唯一の他社メーカーのレンズで、レンズの情報はカメラの液晶画面にきちんと表示される。ズームミングする途中で一度だけ露出が変わる現象が起こる。

ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0 SWD(オリンパス)

対応センサーサイズ:フォーサーズ

焦点距離:35~100㎜ / 35㎜判換算:70~200㎜

F値:2.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:1.4m

絞り羽根:9枚(円形絞り)

フィルター径:77㎜

最大径x長さ:φ96.5x213.5㎜

重量:1650g

手振れ補正機能:なし

 ED 14-35㎜ F2と同じく、ズーム全域での開放絞りF2.0を実現した大口径望遠ズーム。35㎜判換算で70-200㎜相当をカバーする。ズーム全域において絞り開放から高い解像力を誇る非常に優秀なレンズ。1650gとかなり重いため、カメラへの装着時にはレンズサポートが必要となる。

<追加>

M. ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0(オリンパス)

対応センサーサイズ:マイクロフォーサーズ

焦点距離:12㎜ / 35㎜判換算:24㎜

F値:2.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.2m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:46㎜

最大径x長さ:φ56x43㎜

重量:130g

手振れ補正:なし

 マイクロ4/3系レンズの中で最も広角な大口径の単焦点レンズ(フィッシュアイを除く)。解像力は開放では周辺部・四隅が若干甘いが1段絞ればかなり改善される。絞りF4からF11でベストの性能を発揮する。注目は「スナップショット・フォーカス」機能で、フォーカスリングを手前に引くとMFに切り替わり、距離の基線が現れる。絞り値(F5.6~F11)と被写界深度の関係が一目で分かり、これで人物と背景の両方にピントが合ったスナップ写真が素早く撮れるというわけだ。MFにするとフォーカスリングに程よく粘りがつき、エンドストップ(回転角90度)も効くなど、ピント送りの操作がしやすくなる工夫がされている。

M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8(オリンパス)

対応センサーサイズ:マイクロフォーサー

焦点距離:45㎜ / 35㎜判換算:90㎜

F値:1.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.5m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:37㎜

最大径x長さ:φ56x46㎜

重量:116g

手振れ補正:なし

 非常に優秀なレンズ。開放F値1.8からとてもシャープで、ポートレートにも最適。鏡筒は強化プラスチックで作られていてとても軽く、大きさはライカのマクロ45㎜ F2.8よりひと回り小さい。基線のないフォーカスリングだが程よく粘りがあって回しやすい。手ブレ補正機能はない(オリンパスはカメラ内蔵式手ブレ補正機能を採用しているため)が、コストパフォーマンス的にも非常に優れていて、持っていても損はない1本。

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