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EOSムービー用レンズ(EF/EF-Sマウント)

EFマウント系(35㎜フルサイズ / APS-Cサイズ用)

 豊富な種類を誇るキャノンEF系レンズだが、取り上げるべきはやはりLレンズだろう。シネレンズに比べるとフォーカスリングの回転角が狭かったり、エンドストップがなかったりなど、動画撮影での操作性は不十分だったりするが、画質においてはツァイスなどと比べても十分引けを取らない高い性能を持つ。スチルレンズの中では確かに高価かも知れないが、多くのレンタル機材屋でも置いてあり、シネレンズよりも安く借りられるので試しに使ってはどうだろう。35㎜フルサイズのEFレンズは、適正なマウントアダプターがあれば、他のフォーマットのカメラにも使えて重宝する。ただし、EF系レンズの絞りはどれも電子制御(絞り環もなし)なので絞り機能付きのアダプターが必要となる。

 7D、60DなどAPS-CサイズのカメラならEF-Sマウントのレンズも使える。EFレンズの特性を備えつつ、小型・軽量化し価格も安くなっている。中にはLレンズに匹敵するほどの高い描写力を誇るものもある。シグマ、タムロン、トキナーなどの優れたレンズも、特にEF/EF-S系マウント用に多く出ているので、そちらも是非チェックしてみるべき。

<ズームレンズ>

EF16-35mm F2.8L II USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :16~35㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):25.6~56㎜

F値:2.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離 :0.28m

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径 :82㎜

最大径x長さ:φ88.5x111.6㎜

重量:640g

手振れ補正(IS):なし

 開放が通しF2.8という明るい広角ズーム。開放でもレンズ中央部から中間部はとてもシャープで、F5.6まで絞り込めば周辺部も含めかなりシャープになり、広角単焦点レンズにも負けない高い解像度になる。7DなどAPS-Cカメラのユーザーで、EF24-70㎜ F2.8では広角域が足りないという人にはお奨め。

EF24-70mm F2.8L USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :24~70㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):38.4~112㎜

F値:2.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離 :0.38m

絞り羽根:8枚(円形絞り)

フィルター径 :77㎜

最大径x長さ:φ83.2x123.5㎜

重量 :950g

手振れ補正(IS):なし

 このズームレンズ1本で、セットレンズのかなりのサイズをカバーできてしまう。もし撮影の仕事で、使えるレンズは1本だけと言われたら、多くのカメラマンがこのレンズを選ぶのではないか。中央部は開放時においても非常にシャープ。マクロレンズとしても十分使える(最短撮影距離38㎝)。

EF24-105mm F4L IS USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :24~105㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):38.4~168㎜

F値:4.0(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離 :0.45m(マクロ)

絞り羽根:8枚(円形絞り)

フィルター径 :77㎜

最大径x長さ:φ83.5x107㎜

重量 :670g

手振れ補正(IS):あり

 24-70㎜ F2.8より35㎜分望遠めをカバーするので、より望遠めが必要な人にはこちらの方が魅力を感じるかもしれない。その代わり、ひと絞り分暗い。望遠めを取るか、明るさ・ボケ味を取るかはユーザーの用途や好み次第。中央部は絞り開放からかなりシャープ。しかも、こちらにはIS(手振れ補正)機能が付いていて、望遠めでの撮影でかなり有効に働き、三脚の上での細かな振動などはほとんど解消してくれる。

EF70-200mm F2.8L IS II USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :70~200㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):112~320㎜

F値:2.8(開放)/ 32(最小絞り)

最短撮影距離:1.2m

絞り羽根:8枚(円形絞り)(円形絞り)

フィルター径 :77㎜

最大径x長さ:φ88.8x199㎜

重量 :1490g

手振れ補正(IS):あり

 EF24-70㎜ F2.8とこのレンズがあれば、F2.8通しでほとんどのシーンをカバーできてしまう。キャノンズームレンズの中でもっともシャープな1本。中央部だけでなく周辺部においても、開放時からかなり安定したシャープさを誇る。改良されたIS機能は、三脚の上で振動を感知しなければ、自動的に停止してバッテリーの消費を防ぐ優れもの。

<単焦点レンズ>

EF14mm F2.8L II USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :14㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):22.4㎜

F値:2.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.2m

絞り羽根:6枚(円形絞り)

フィルター径:挟み込み式

最大径x長さ:φ80x94㎜

重量:645g

手振れ補正(IS):なし

 対角線画角114°の超広角レンズ(キャノン EFレンズではこれ以上の広角だとフィッシュアイになる)。歪曲もほとんどなく、周辺部もかなりシャープ。狭い室内での撮影など広角の必要なユーザーには必需品(7DなどAPS-Cサイズの場合、22.4㎜に相当)。パンやティルトをする場合には注意が必要。

EF24mm F1.4L II USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :24m

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):38.4㎜

F値:1.4(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.25m

絞り羽根:8枚(円形絞り)

フィルター径 :77㎜

最大径x長さ:φ83.5x86.9㎜

重量 :650g

手振れ補正(IS):なし

 ほとんどの広角ズームより絞り2つ分さらに明るい。絞り開放では周辺部が若干ソフトになるが、F2.8まで絞ると周辺全体までシャープになる。暗いところでの撮影やボケ味を演出したい場面で威力を発揮する。

EF35mm F1.4L USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離:35㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):56㎜

F値:1.4(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離 :0.3m

絞り羽根:8枚

フィルター径 :72㎜

最大径x長さ:φ79x86㎜

重量:580g

手振れ補正(IS):なし

 5DmkIIなど35㎜フルサイズのユーザーにとってEF50㎜ F1.2Lが揃えておきたい標準レンズだとすると、7DなどAPS-CユーザーにとってはEF35㎜ F1.4Lが標準サイズ(56㎜相当)として揃えたい1本。キャノンズームレンズより2絞り分明るいだけでなく、シャープさでも他とは一線を画す。

EF50mm F1.2L USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離:50㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):80㎜

F値:1.2(開放)/ 16(最小絞り)

最短撮影距離:0.45m

絞り羽根:8枚(円形絞り)

フィルター径:72㎜

最大径x長さ:φ85.8x65.5㎜

重量:590g

手振れ補正(IS):なし

 このレンズ、開放付近(F1.4辺りまで)は全体的に少しソフトなのだが、F2.8以上になると非常にシャープになってくる。シャープさだけを求めるのなら、EF50㎜ F1.4などでも十分なのかもしれない。しかし、普通の何気ない日常シーンなどはF5.6辺りまで絞り込み、硬い描写でドキュメンタリー的に撮影し、主人公の心情などを示す場面では絞り開放で撮影し、片方の目にしか焦点が合わないほど周りをボカして印象的に見せる、そんな撮り方がこのレンズでは出来てしまう。もちろん、暗い室内や夜の撮影でも威力を発揮。EOSユーザーなら(35㎜フル、APS-Cともに)揃えておきたい単焦点レンズの1本。

EF85mm F1.2L II USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離:85㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):136㎜

F値:1.2(開放)/ 16(最小絞り)

最短撮影距離:0.95m

絞り羽根:8枚(円形絞り)

フィルター径:72㎜

最大径x長さ:φ91.5x84㎜

重量:1025g

手振れ補正(IS):なし

 35㎜、50㎜とともに揃えたい単焦点レンズの1本。通称「お姉ちゃんレンズ」と呼ばれるくらい、ポートレート撮影と言ったらこのレンズ。絞り開放付近はソフトで、F2.8以上に絞れば非常にシャープになり色収差も改善される。だが、このレンズの特性を活かすにはあえて開放~F2で撮影し、他のレンズではなかなか出せないボケ味の描写を楽しむべき。

EF135mm F2L USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離 :135㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):216㎜

F値:2(開放)/ 32(最小絞り)

最短撮影距離:0.9m

絞り羽根:8枚

フィルター径:72㎜

最大径x長さ:φ82.5x112㎜

重量:750g

手振れ補正(IS):なし

 キャノンレンズの中でも最もシャープな1本。70-200㎜ F2.8Lよりも最短撮影距離が短い(90㎝)。IS機能が付いていないので振動には注意が必要。

EF100mm F2.8L マクロ IS USM

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離:100㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):160㎜

F値:2.8(開放)/ 32(最小絞り)

最短撮影距離:0.3m

絞り羽根:9枚(円形絞り)

フィルター径:67㎜

最大径x長さ:φ77.7x123㎜

重量:625g

手振れ補正:あり(ハイブリッドIS)

 絞り開放からF16くらいまでシャープネスは全体的に非常に安定している。開放では目立つ周辺光量落ちも1段絞ればかなり解消される。現在のところ唯一の最新ハイブリッドIS機能搭載レンズで、手持ちの動画撮影でもかなり有効。最短撮影距離は30㎝。

EF50mm F1.8 II

対応センサーサイズ:35㎜フル・APS-C

焦点距離:50㎜

35㎜判換算(APS-Cカメラ装着時):80㎜

F値:1.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.45m

絞り羽根:5枚

フィルター径:52㎜

最大径x長さ:φ68.2x41㎜

重量:130g

手振れ補正(IS):なし

 これはLレンズでも高級レンズでもないが、恐らく世の中に一番出回っているであろうキャノンレンズの1本としてとりあげてみた。さすがに絞り開放付近では、周辺部分のシャープネス、収差などの画質の不安定さは否めないが、絞りF2.8以上で使えばEF50㎜ F1.2Lに匹敵するほどの高性能レンズになる。これで市場価格が1万円を切るというのは驚き。APS-Cサイズのカメラには少し望遠め(80㎜相当)になってしまうが、取り敢えず持っていても損はない1本。

<EF-Sレンズ>

EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM

対応センサーサイズ:APS-C

焦点距離:10~22㎜ / 35㎜判換算:16~35㎜

F値:3.5~4.5(開放)/ 22~27(最小絞り)

最短撮影距離:0.24m

絞り羽根:6枚(円形絞り)

フィルター径:77㎜

最大径x長さ:φ83.5x89.8㎜

重量:385g

手振れ補正(IS):なし

 焦点距離が35㎜判換算で16~35㎜相当。APS-Cユーザーで、EF14㎜ F2.8Lより広角が必要だったらこのレンズ(キャノン以外だとシグマ10-20㎜ F3.5など数本がある)を選ぶことになる。EF16-35㎜ F2.8Lとまではいかないが、中央部の解像力は絞り開放でも結構高く、もう1段絞れば周辺部までかなりシャープになる。歪曲収差もかなり小さく抑えられている。手振れ補正の機能がないのが残念。

EF-S17-55mm F2.8 IS USM

対応センサーサイズ: APS-C

焦点距離:17~55㎜ / 35㎜判換算:27~88㎜

F値:2.8(開放)/ 22(最小絞り)

最短撮影距離:0.35㎜

絞り羽根:7枚(円形絞り)

フィルター径:77㎜

最大径x長さ:φ83.5x110.6㎜

重量:645g

手振れ補正(IS):あり

 APS-CユーザーにとってのEF24-70㎜ F2.8L。広角側が若干足りないが、これ1本で広角から標準までセットレンズの範囲はほぼカバーし(27~88㎜相当)、通しF値2.8という明るさがうれしい。画質の面でも、絞り開放で中心部の解像力はかなり高く、1絞り上のF4から11の間で使用すれば全体的にもかなりシャープになり、EF24-70㎜ F2.8Lに負けないほどの高解像度が得られる。ただし、周辺部の色収差は望遠側(焦点距離35㎜以上)になるとやや大きくなる。手振れ補正はかなりの効果がある。

EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS

対応センサーサイズ:APS-C

焦点距離:18~135㎜ / 35㎜判換算:29~216㎜

F値:3.5~5.6(開放)/ 22~36(最小絞り)

最短撮影距離:45㎜

絞り羽根:6枚(円形絞り)

フィルター径:67㎜

最大径x長さ:φ75.4x101㎜

重量:455g

手振れ補正(IS):あり

 7D、60Dなどのレンズキットによく付いてくる標準/望遠ズーム。この1本でかなりの範囲をカバーできるのは魅力だが、画質の面から言うと少々曲者。絞りF5.6~11辺りで使えば、特に中央部の解像力はかなり向上するが、周辺部の収差は絞り込んでもあまり改善されない。レンズの特性を理解した上で使用すれば便利な1本。

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