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Manfrotto SYMPLAシリーズ

<ビデオサロン2012年10月号に寄稿>

ここ数年、DSLRや小型ビデオカメラ用にマットボックスやフォローフォーカス、ショルダーサポートなどの独自のリグシステムを、色々なカメラ周辺機器メーカーが発売しているが、これまで三脚やリモートコントローラーなどカメラサポート機器が中心だったマンフロットもついにこの分野に参入してきた。

マンフロットのSYMPLA(シンプラ)シリーズは、その名称からもうかがえる様にシステムのシンプルさをコンセプトに、組み立てや操作が複雑にならないように、構成する部品の種類を減らしたり、パーツの取付けや調節になるべくネジなどを使わずに済ますなど、様々な工夫がされている。

今回発売されたのは、ショルダーサポートシステム、フレキシブルマットボックスシステム、ロングレンズサポートシステムの3つの基本となるシステムで、あとはそれに自分の撮影スタイルに合わせ必要なパーツを追加する形となる。EOSムービー用リモートコントローラーも2種類出たが、これらはすでに本誌の9月号で紹介されているのでそちらを参考にして欲しい。

左から、

ショルダーサポートシステム、フレキシブルマットボックスシステム、ロングレンズサポートシステム

<使用感>

システム構成で重要な役割を果たすのが、ユニバーサルマウントと呼ばれる15㎜φロッド用のブラケットで、これにマットボックスやレンズサポート、ショルダーパッドなど様々なパーツを取付けて使用する。フォローフォーカスなどによくあるスナップオン式のクランプと似た仕組みだが、こちらはロッドの下から引っかけて吊り下げることもできるセルフサポート式になっている。ロックレバー1つでしっかり両方のロッドに固定されるので片手でもセッティングができる。このマウントには1/4"のネジ穴が2つと3/8”のネジ穴が4つ付いていて、マジックアームなどを使ってアクセサリも取付けられて便利だ。

ベースプレートには、三脚メーカーのマンフロットならではのこだわりが見られる。DSLRでは、カメラやレンズの位置がロッドに対してまちまちで、他のメーカーのベースプレートだと、位置調整をするのに六角レンチでネジを緩めて位置を合わせ、またネジを締め直して…と手間が掛かるが、SYMPLA可変プレートはロッドやスライディングプレートでの前後位置の調整だけでなく、縦と横方向への位置の微調整がダイアルノブを回すだけで楽に行える。その代わり、他メーカーのベースプレートに比べると少しサイズは大きく重量も重い感はある。

SYMPLAシステムで一番目立つのは、大きくて丸いゴム製の蛇腹式レンズフードが特徴的なマットボックスではないだろうか。蛇腹式のフードは広角から望遠まで幅広いレンズサイズに対応でき、上下左右と部分的な伸縮も可能なので、フレンチフラッグを用いなくても自在にフレア光を遮ることができる。4x4のフィルターホルダーが2枚入り、後ろのステージは360°回転が可能。後ろ側からフィルターに当る光を防ぐためレンズの先にニッカー(布状シールド)を付けて使用する。また、このマットボックスは横に90°に倒せるスイベルジョイント式(一種のスイングアウェイ式)なので、レンズ交換時にいちいちレンズフードをロッドから取り外す必要がなくて便利だ。重量は1.1kgありこれも他メーカーのDSLR用マットボックスと比べると少々重く感じる。

ショルダーサポートシステム用のハンドルは握りやすく、ハンドルの角度も自由に変えられ、ロッキングダイアル1ヶ所を軽く回すだけでロックを緩めたり締めたりするのも楽に行える。また、EOSムービー用リモコンを使用する場合は、操作しやすい位置でハンドルに取付けられる用に工夫もされている。

<総合評価>

現場での操作性、機動性を考え、工具を極力使わずに組み立てたり、片手で位置調整ができるところ、また、ユニバーサルマウントのようにパーツを画一化して複雑さをなくすなどの工夫は、他社メーカー製品の欠点から学び良く考えられているように思う。ただ、各パーツを少し頑丈に作り過ぎたのか、システム全体を組み上げると結構な重量(ショルダーマウントシステムにマットボックスを付け、カメラとレンズを合わせれば5kg以上)になってしまう点が少し気になった。DSLRカメラ自体が軽いから、ある程度全体を重くした方が映像が安定するという考え方もあるので、そこはユーザーの好みというところかもしれないが、今後はシンプルさだけでなくコンパクトさも考慮した軽量タイプのパーツも出していってもらえると、個人的にはありがたいかも。

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