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Redrockmicro マイクロリモート

 DSLRやビデオカメラ用のリグやアクセサリーを比較的安い価格で提供し続けるレッドロックマイクロ社が発売したフォーカスコントロールシステム。シネレンズだけでなく、ハードストップ(エンドストップ)のないようなスチルレンズでもフォーカスのリモート操作が可能になるという便利なツールだ。

 スチルレンズはシネレンズに比べ小さく、AFに素早く対応するようフォーカスリングの回転は軽く、回転角も小さく作られているため、動画撮影時の正確なMF操作というのは難しい。でも、このシステムを使えば、どんな狭い回転角のレンズでもハンドヘルドコントローラー上の270度という広い回転角に自動で変換し(フィンガーコントローラーも同様)、余裕のあるフォーカス操作が可能になる。レンズのキャリブレーションも楽で、シネレンズなどハードストップ付きタイプはボタン一つで済み、ハードストップのないスチルレンズなどもマニュアル操作でキャリブレーションができる。

 ハンドヘルドコントローラーの回転ノブは適度な粘りがあって回しやすく(操作感度は調節可)、指先の微妙な動きもトルクモーターへ正確に伝わる。調整用ハードストップでピント送りの範囲も決められるので何度でも同じ位置への正確なフォーカス合わせが可能。

 DSLRカメラでブライダルやドキュメンタリー撮影をする人には、手持ち撮影しながら自分でフォーカス操作できるENGセットが向いている。フォーカスだけでなくズーム(またはアイリス)用にも付けられるので、スチル用ズームレンズをビデオカメラのオートズームのように使うことも可能。フィンガーコントローラーを2セット用意して左手側にフォーカス用、右手側にズーム用などといった使い方もできる。

 マイクロリモートには3タイプある。ハンドヘルドワイヤレスコントローラー(以下、ハンドヘルドコントローラー)を使用するワイヤレスセット、フィンガーホイールコントローラー(以下、フィンガーコントローラー)を使ってワンマンオペレートできるENGセット(ワイヤレス非対応)、同様だが、ベースステーションがワイヤレス対応でハンドヘルドコントローラーも使えるハンドヘルドセット。なお、1つのベースステーションでコントローラー2つの同時使用は不可。

 ニコンなど回転が反対のレンズの場合でも、ボタン一つで回転方向を逆にできる。カメラのスタート/ストップも遠隔リモートによる操作が可能。ワイヤレスの届く範囲は約90mとかなり広く、もし電波の干渉があるなどしてワイヤレスが使えない場合はワイヤード(有線)状態での使用も可能。

 電源にはIDXなどの外付けバッテリーかAC電源を使用。ベースステーション経由でトルクモーターに電源供給される。ハンドヘルドコントローラーには単三電池を使用。トルクモーターの取付けには15mm径のサポートロッドを使用。ギアのピッチは0.8。今回は検証しなかったが、オプションとしてレーザーで被写体との距離が計れるマイクロテープソナーレンジファインダーというものもある。

 アメリカ人向けサイズだからか、ハンドヘルドコントローラーは若干大きく重い感があり、個人的にはもう少しコンパクトな方が使いやすい気がした。あと、取付け方が悪かったのか、ギアが回転する時に僅かにジージーと音がしたので、静かな場面で使う時には注意が必要そうだ。値段もレッドロックマイクロの製品としては結構高額なので、個人で購入し所有するかレンタルで済ますか迷うところだ。

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